riki hidaka / nu gazer 1st Album「NU GAZER」

riki hidaka / poetracks 2nd Album「POETRACKS」この度、STEREO RECORDSよりアナログ化。
Shiny Shiny Kodyma *2 Shiny Shiny Kodyma...下北沢ガレージで不定期で開催してた木霊君という男の名の下に仲間が集まったパーティー。
JAN AND NAOMI / A PORTRAIT OF THE ARTIST AS A YOUNG MANi GREAT3のJANの別ユニット「JAN AND NAOMI」が今年500枚限定でリリースした7inchシングルは音楽シーンで話題になっている。


Interviewer:神鳥孝昭 (STEREO RECORDS)
Day : 2014.5.1

RIKI HIDAKA
1991年生まれ。東京出身。2枚のアルバム「NU GAZER」と「POETRACKS」を自主制作で限定発売。QNの2nd「DEAD MAN WALKING 1.9.9.0」や、THE OTOGIBANASHI’S 「TOY BOX」、GIVVN「Garbage Can Vol.0」など仲間たちの作品へギタリストとして参加。各地でのライブはもちろん、LowPass「Mirrors」、KETTLES 「grind」のアートワーク、自主映画やショーの音楽など様々なジャンルで精力的に活動。2014年のレコードストアデイに「POETRACKS」のアナログ盤をリリースし、5月末から西日本リリースツアー「BE QUIET」をスタート。

神鳥 孝昭 (STEREO RECORDS代表)
1976年生まれ。広島出身。 2006年にレコード屋STEREO RECORDSを広島にオープン。2014年に同店傘下のレーベルを始動。

- 今日は宜しくお願いします。ヒダカはインタビューは初かな?? 先ずは軽く自己紹介からお願いします。

日高です、羊年カニ座の男です。

- 短いね(笑)。 えっと、今何歳なんだっけ??

今年の7月で23になっちゃいます。。

- このインタビューはヒダカの「POETRACKS」のアナログ発売を記念して行われてるんだけど、
この作品を作ったのっていつ頃なの??


もうちゃんとした時期とかはあんまり思い出せないんだけど、たしか高校をやめてちょっとしてから録り始めてだから18、19〜20とかだった気がします。あんまり思い出せません(笑)

- 作品の前に・・ 何で高校辞めたの??

そんときはクソだと思ってたんだと思います(笑)
今となってはどうでもよすぎることで悩んでたんでしょうね若かりしおれは(笑)

- そんな高校を中退した若かれしヒダカ青年が作ったのが「POETRACKS」なんだけど僕はいつも聴きながら思うの・・。
ヒダカ当時、何考えて作ったんだろうって。一言では語りつくせない音楽性なんだけど、この作品のテーマとか、この頃聴いてた音楽ってどんな感じだったの??


なんだろ、なに聞いてたんだろ。。でもこの頃は下北のガレージ*1ってとこで多い時は週2とかで仲間たちとライブさせてもらったり、毎晩仲間たちと遊び狂ってて、そういう生活の中から滲み出て来たってゆーか。。今でもよく思うんだけど、歴史の中で現代まで名前の残ってない、かつてこの世に生きていた素晴らしい詩人たちとか、音楽家とか、そういう人たちって絶対いると思うんだけど、そういう人たちって本当に素敵だなぁと思ってて。何が言いたいのかさっそくわかんなくなってきたけど笑、そいつらが川見ながらタバコふかして草むしってぼーっとしてるのと、この頃のレコーディングって同じようなことだと思います。邪念がないってゆーか、わけわからん(笑)

- なるほど。若かれし頃のピュアな衝動をそのまま音にしたと。
それにしても独特な音楽だと思ってるんだけど、作曲する時ってどうやってするの??


いやもうほんとふとんに寝っ転がってギター弾いててこのフレーズいいなあとかおもったら録って、みたいな。あの頃と今ではやっぱちょっとマインドが違うけど、変わらないのは一発のその即興性とかをパッケージングしたいってのとかかなぁ。。なんかチューニングすらあんまり大した問題じゃないと思ったりもする。。全部をちゃんと決めて創り込む人もいるんだろうけど。

- 確かに生々しいよね。僕はブルージ―なアルバムだと思ってるよ。
コンドーム付けてないSEXみたいだね(笑) あの頃と今のマインドの変化ってどんな所??


ブルーズももちろんそうだし、新しく生まれるスタイルとか全部最初はパッケージとか関係なく音があったってゆーただそれだけだったって思っちゃう、伝記とか本の中の伝説への憧れをおれはずっと捨てらんないです。あの頃は俺たちShiny Shiny*2は最強だと思ってたけど、最近はそんなことないかもって(笑)「お前がボビー*3ならおれはアランマッギー*4で、あいつはケヴィンシールズ*5だろ」みたいなことを平気で言えた。「や、おれ全然Jマスキス*6」みたいな(笑) でも今は、おれはもうおれのやれることを静かにやるだけって、そういう変化、悲しいけど。悲しくないな。子供がヒーロー戦隊に憧れてポーズキメてカッコつけてた、、みたいな、今はもう違う。

- なるほど。地に足が付いてきたのかな。
では、「POETRACKS」の世界を深く知る為に1曲ずつ解説してもらおうかと。 先ず1曲目の「W.S. Worm (with Kousukenica)」だけど。ギターのイントロが印象的なナンバーだよね。これはどういった曲なの??


これはかつてこの世にいたおれたちの仲間の佐藤洸介という男と向かい合ってギターを弾いたってだけです。

- 彼は亡くなったヒダカの大事な親友なんだよね。
彼の事について少し聞かせてもらえる?? 勿論、辛ければ大丈夫だけど。。


彼のバンドTHE VAIN*7とMIRROR MOVES*8というバンド、今はGREAT3のヤン*9、そういった仲間たちとShiny Shiny Kodyma、Teens Don't Cry*10というパーティーをやって遊んでて、おれがまともにギターを弾きだしたのも彼らがいたからだし、色んなことを教えてくれました。「そして空の住人になる」って置き手紙を残して彼は会えないとこに行ってしまった。それだけです。彼はシドヴィシャスより若くして気付いてしまったんだと思う。残されたおれたちはもうそのことについて色々言いたくはないけど、ただおれは彼のすぐ近くにいれたことを一生誇りに思います。

- なるほど・・。きっと彼の元に届くギターだと思うよ。
続いてはアコースティックとエレクトリックが融合した「Kool-Raku」について聞かせてもらえるかな??


サウンド的にはトミーゲレロ*11とかレイバービー*12みたいなチープでスムースなのがつくりたくって。「Kool-Raku」っていうのは行楽だか幸楽てゆー明け方5時6時とかでも焼きそ ばを食べられる立ち食いのお店が歌舞伎町にあって、多分もうないんだけど、そこの雰囲気がよくって、まぁそれの当て字です(笑)

-「Kool-Raku」は僕達の周りでも評判良いよ。きっとヒダカの作品の中でもスムースで割と聴きやすいからかな。
そして次は「Dont Suck My Thumb」 個人的にはこのアルバムの中でも1・2を争う位好きな曲でヒダカの真骨頂だとも勝手に思ってる。 先程の「Kool-Raku」とは反対に凄く緊張感ある曲。


ありがとうございます。これはずっと好きだった女の子がもうギター弾かないからっていって高校だかのときに買ったってゆー白いエピフォンのSGをおれにくれて(笑)、それで録った曲です。その子の念かもしれません(笑)

- それがこの緊張感に繋がったのか(苦笑) 続いて「Spring Has Come」。
この曲は「POETRACKS」のアセテート盤*13が届いた時にショウゲン*14とクラブで爆音試聴会をやった時に凄い鳴りだったね。 当店(STEREO RECORDS) 常連のLED ZEPPELIN狂*15のおっちゃんもヒダカのギターで唸ってたナンバー。


うわ、それすげぇおもしろい(笑)
3年前の春の日に春来たなーっつって録ったものです、たしか。。

- これが春来たーって感じなんだ(爆笑) これ聴いて春~って連想する人少ないと思うけどな。
やっぱヒダカ天才だと思うな(笑)

*1下北のガレージ...下北沢にあるライブハウス「GARAGE」
*3 Bobby Gillespie...イギリスのバンド、PRIMAL SCREAMのヴォーカル。
*4 Alan McGee...OASISやPRIMAL SCREAM等が所属していたイギリスの「CREATION RECORDS」の代表。
*5 Kevin Shields...CREATIONに所属していたイギリスのバンド、MY BLOODY VALENTINEのギタリスト。
*6 Joseph Donald Mascis...アメリカのバンド、DINOUSAUR JR.のヴォーカルとギター担当。
*7 THE VAIN...佐藤洸介、リョウサン、ツナミボーイによるスリーピースリトルギャングパークバンド。
*8 MIRROR MOVES...イギリスのバンドMONOCHROME SETのJAPAN TOUR前座も務めたハードビートバンド、ネオトーキョーライオット。
*9 GREAT3...片寄明人、白根賢一、janによる日本のロック・バンド。ニューアルバム「愛の関係」を今年3月にリリース。
*10 Teens Don't Cry...不定期で開催してた仲間内のパーティー。
*11 Tommy Guerrero...サンフランシスコ生まれのスケートボーダー&ミュージシャン。
*12 Ray Barbee...トミー・ゲレロの盟友であり、現役のプロ・スケーター&ミュージシャン。
*13 アセテート盤...テストプレスのレコード。通常よりも軟らい素材で作り、音質が良いと言われる。コレクターアイテムとしても有名。
*14 DJ SHOGEN...広島出身DJ。LIQUIDROOM KATAで開催されるパーティ、GLUEの主催者。
*15 LED ZEPPELIN...ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズによるイギリスのバンド。