くぼたまあさ
PLANET A-218

メーカー・インフォメーション

まったくの無名と言っていい札幌在住アーティスト「くぼたまあさ」による謎の本作。何の経歴もなしに関わらず大真面目にレコードを出そうと決めた理由は面倒くさくても音がそのままで、見て触れるものがやっぱり心地良いと思ったから、らしい。では肝心の楽曲は？想像しにくいかもしれないが一言で言うと、不純物のない真水のようなボーカル、そして少し不思議な空気感で包まれた素直なラブソングである。A面の「Planet A-218」は、どこか高い位置から見た夜の風景をイメージさせるようなダウンテンポが肌になじむ楽曲。アコースティックギターのワンループから歌が入り、少しずつカフォン、ウッドブロックと細かなリズム楽器が混じり合っていく。そして存在感のあるアナログシンセサイザーが、夜空を自由に飛ぶ宇宙船を連想させてくれる。B面の「Superlove」は、アコースティックなA面とはガラッと異なり、1980年代のテクノポップのような懐かしい打ち込みサウンドが新鮮な1曲。出音のみならずボーカルにもエフェクトを強めにかけ、部分的にフィルターを駆使することで空間的な仕上がりになっている。また、単純なようで哲学的とも取れる歌詞も個人的に面白い。本作は、作詞作曲および編曲はもちろん、ボーカルやコーラス、全体をまとめ上げるシンセサイザーやギターの演奏は全てくぼたまあさ自身によるもの。さらに、FAINAL FANTASYやGLAVITY DAZEの制作に携わっていたコンセプトアーティスト、イラストレーターの緒賀岳志氏による書き下ろしのジャケットが一層の世界観を作り上げている。最後に一言付け加えるなら、何の先入観も持たず一人きりの空間で聴くことをオススメする。

【くぼたまあさ】

1985年北海道生まれ。幼少期よりオズの魔法使いやスノーマンに憧れて、周囲よりやや浮いて成長する。14歳でギターに出会い作詞作曲を始める。20代でカナダトロントへ留学中、アナログシンセサイザーと出会い完全に恋に落ちる。帰国後より札幌を拠点として楽曲制作、演奏活動をするが、落ち着きのない性分であり海外放浪と帰国を繰り返す。その後2年間の東京生活を経て、現在は札幌在住。今後の予定は、楽曲の制作発表と演奏活動を中心に活動していく。強度近視・乱視。趣味は散歩、読書、お風呂。