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STEREO RECORDS
INTERVIEW
2018
November.19

cf!!

All These Years
- 空白の10年 -

Interview & Text 山岡 弘明

- まずは10年ぶりのリリースおめでとうございます。
簡単に自己紹介をお願いできますか?

ええ、ありがとうございます。 cf!! (スィーエフ!! )という名前で音楽をやっております。1974年東京生まれ、2006年と2008年に浅井健一さんのSexy Stones Recordsからcontrol freak!! 名義でアルバムをリリースしました。 2008年の2枚目を出した直後に渡英して、以来ロンドンで暮しています。名前が長いと期末テストで初っ端時間を取られるので現在のcf!! に改名(省略)しました。

― (笑)。因みに「control freak」って心理学のスラングで「仕切りたがり屋」っていう意味もあるんですよね。何かそれと関係したりしますか?

関係してます、というかまさにそれですね。むかし冗談交じりに人に言われたことがあって。ノリでそのまま自分の屋号にしました。若干後悔してますが。それもあってcf!!に至ったと。

― なるほど、あだ名的な感じなんですね。
あと、当時浅井さんのレーベルからリリースする事になった経緯も聞きたいです。

以前東京のとあるバーでシェフをしてまして、そこに浅井さんがよくいらしてたんですね。ただ僕はその後飲みすぎと素行不良が祟ってそのお店を解雇のような形で辞めるんですが(笑)。 そんな中、実は自主制作でファーストアルバムを作ってて、それをたまたま浅井さんが耳にして大層気に入ってくれて、そして呼び出されるわけです。 で、そのミーティングにも僕はテキーラかなんかのショットを煽って行って大切な席でも粗相して。でもそこはさすが浅井さんで特に気にする事もなく、後日晴れて契約に至ると。 本当にそのバーのオーナーの深い懐と浅井さんの普通じゃない感性がなければ、ミュージシャンとしての今の僕はないと思ってます。恐らく肝臓壊して今頃あの世を彷徨ってたんじゃないかと。

― そんな場に酔っぱらって行くとか普通なら一発でアウトですよね。
その辺りのエピソードにも何というか浅井さんらしさを感じます。

酔っ払って会合したお店が自分がクビになったバーですからね。しかもその晩の粗相でその後しばらく出入り禁止になるという。

― かなりの暴れん坊ですね(笑)。でも、2008年に2枚目を〈Sexy Stones〉から出して渡英して、結局10年間向こうに住んでるワケですよね?
その渡英のきっかけと住む事にした理由があれば教えて頂きたいです。

渡英したきっかけは、そのバーの出禁時代に別の店で出会った、たまたま来日していたフィンランド人女性とひょんなことから一緒になることになり、彼女がロンドン在住だったというのと、僕がミュージシャン兼シェフで身軽だったというのもあり、すんなり移住することに決まりました。手続きはすごく大変でしたが。 理由は只々それだけです。 少し面白いのは、1998年に一人でロンドンに滞在していたんですが、初日ヒースロー空港からチューブに乗ってピカデリーサーカス駅で降りて地上に出た瞬間に『あっ、この街暮らせそうだな』って思ったのを今でも覚えていて、まさか10年後に30過ぎて移住するとは夢にも思っていませんでした。

― へえ。じゃあ直感のようなものが働いたんですね。
普段はイギリスでどんな生活をしてるんですか?

普段の生活はいたって普通です。子供が二人いるので学校の送り迎えしたり、シェフの仕事したり、家で料理作ったり、カフェに行って考え事したり、空いた時間見つけて音楽やったり、ごく稀に絵を描いたり、 思い出したようにライヴやったり、家族旅行したり。 こっちに住みだして最初の1、2年は、パーティーライフの名残でよく朝帰りしてましたけど、近頃はめったにないです。30年くらい酒を飲んできて、最近初めて二日酔いが大嫌いだっていう事に気付きました。遅いですよね(笑)。 最近は専らワインばっかり飲んでますね。早い話がオッサンなんです。酒の話ばかりで音楽の話にたどり着けない…。

この至極プライヴェートな作品について

― では軌道修正して作品の話を(笑)。アルバム、シンプルな弾き語りの楽曲もありますが、バンド編成のものもありますよね。 他ミュージシャンのクレジットもなかったので気になったのですが、いわゆる〈ベッドルームレコーディング〉的な一人多重録音で録ったのでしょうか?

一人多重録音ですね。今回はミックスのヘルプとマスタリングを除いて、何から何まで全て一人で作りました。ドラムトラック数曲分以外は、ベッドルームではないですが自宅録音です。 メンバーやレコード会社の制約がない分、ドラムの録音にあ〜でもないこうでもないと一ヶ月掛かったり、 楽器や機材の調子が悪かったり、ダラダラしたりと、何人かミュージシャンの友人にお願いしたんですが、結局うまくいかず頓挫し、なんやかんや最終的に制作に4年もかかってしまいました。

― 4年…難産でしたね。。。ライブするときは基本弾き語りですか?

ライヴは基本弾き語りです。ごく稀にドラムが入ったりしますが、バンド形態のライヴは2010年以来やってないんじゃないかな? そもそもバンドを組んだことがないっていう、稀有なロックミュージシャンなんです。

― そうなんですね。てっきり「NOW WHAT THE?」のMVに出てるのが普段のバンドメンバーなのかと思ってました。。

あのビデオに出ているのは全員友人です。 特に毛深いドラマーはGeorge Vallackといって、Stagsというガレージロックバンドでドラムを叩いてます。 彼はレコーディング、ミックスの手伝いやグラフィックデザイン関係も手伝ってくれて、マスタリングをしてくれた旧友の四分一 隆(シブイチ タカシ)と並んでこのアルバムには欠かせない存在です。 カウベルを叩いてる Thomas Frenchという男は、そのStagsのJust Like Youという曲のビデオに主演していて、バーで酔っ払って粗相して追い出されるという役柄です。 そしてNow what the?のビデオでは僕が彼に追い出されると。

― でも制作4年は長いですね。それにしてはアルバム全体のトーンはかなり統一されているように感じました。何というかELLIOTT SMITHに通じる哀愁感というか内省的な質感が通底してるというか。

アルバムに統一感を感じてもらえれば嬉しいですね。やっぱり僕が全部一人で自分の機材を使って録ったっていうのが一つと、あとはマスタリングの影響も大きいでしょうね。 実は当初プロに大金払ってマスターしてもらったんですが、お互いの感覚の溝を埋められないくらい酷いのが返ってきて途方に暮れていたところに急遽この四分一という男が参戦し、 結果100倍くらい良いのが上がってきました。本当に陰ながら色々やってもらって、彼がいなければこのアルバムは未だに終わっていなかったと思います。 友人の有り難みが身にしみる数年でした。 Elliott Smithの名前が出てくるのは光栄ですねえ、大ファンですし。偉大なソングライターだと思います。何よりいい歳こいてますから哀愁の一つや二つある筈ですし、 前述のように反省ばかりの人生ですから内省的にもなりますよねやっぱり。自分が好んで聴く音楽は大抵、哀愁だったり精神的な意味でのブルース、ソウルを感じるものばかりだと思います。 ジャンルを問わず。

― 確かに、サウンドプロダクションと楽曲の相性は抜群だと思いました。まあ好みもあると思うんですけど。ローファイ過ぎず、だけど、いわゆるSSWモノに見られる宅録的な暖かさのようなものも同時に感じます。

「そう感じてもらえるのは嬉しいですけど、狙ったわけでもなんでもなく、経済的な事情が音を左右しているというか、 もっといい機材が欲しかったんですけどあれが限界でしたね。自分の録音/ミックス技術の未熟さも大分影響してます。 暖かさは出せるように気を遣いました。 本当は最後マスターをオープンリールのテープに通したかったんですけど、周りに持ってる人もいなかったので叶わず。 ただアルバム最後のPerfect Place という曲だけ実は4チャンネルのカセットレコーダーで録っています。途中で機材の調子がおかしくなり、あのテイクが最後でした。 曲の終わりのほうでギターの音が揺れているのはそのせいです。最後だけカセットの音というのは前々から温めていたアイデアだったので、うまくハマって良かったと思ってます。

― 楽曲自体はこの10年間に書き溜めたものなんですか?

この10年というか、このアルバム自体は自主で2017年の1月にデジタルリリースをしているので、 おそらく2008年くらいから8年間くらいで溜まった曲群だと思います。ほとんどが2012年以降の曲のはずです。 Perfect Placeだけは異質で、セクシーストーンズの人から日本語で書くことを促されトライし頓挫したものを後年練り直したヴァージョンです。 一曲目のAll These Yearsは、アルバムのイントロになる曲が無いなあと思っていた最後の最後に出来た曲です。スラスラっと何の迷いもなくできたのを覚えています。 そういう時はいい曲だったりするんですが、この曲もそんな素直さが気に入っています。ただ歌詞は若干歯が浮くので載せていませんが。

― 「All These Years」だけ歌詞ないのはそういう理由だったんですね(笑)。 「Perfect Place」の最後のギター、どうやって録ってるんだろう?と思ってたんですが、そういった予期せぬ事故があったんですね。冒頭のカセットテープを回す音も何か特別感が出てますよね。 そういった要素もあってか、「Perfect Place」は最後に来るべくして来た楽曲、という印象があります。 それまでの内省的でダウナーな雰囲気が一気に覆る「陽性」のイメージというか、歌詞も肯定的でポジティヴに受け取れます。 大げさですが、「救い」に似たカタルシスみたいな(笑)。

大げさですねえ。まあそこは僕の性格というかバランス感覚というか。 真面目な話をしてる時なんかも、もうふざけたくなって仕方がなくなりますから。 で、こらえきれずふざけて大概ドン引かれます。

― 作品の性格とは両極なんですね。何かカタい話ばっかだし、せっかくなんで何かおフザケエピソードがあればご紹介下さい。

基本ふざけてるんでエピソードには事欠かないんですが。 これをおふざけエピソードと言っていいのかわかりませんが、凄く印象に残っているんで。ちょっと長いですよ。 今回アルバムのブックレットに、自分が美大生だった時の絵を提供してくれたロビンっていう友人がいるんですが。以前彼とパブで飲んでいた時の話です。 外の席に座ってちょうど飲み始めた頃、身長190僂らいのフレッドペリー着た、頭剃った屈強なイギリス人の男が僕らのテーブルに来て、 「オイ、どけっ!ここは俺の席だ!どけっ!」って言うわけです。で ロビンが、「もうちょっとやさしく言えないの?」って返すんですが、 すかさず「関係ねえ!俺はスキンヘッドだから、オラどけっ!!」ってきて。いわゆる「スキンヘッズ」、スキンズですよね。それで結局僕らは移動する羽目になって立ち飲むわけです。 で、そいつはそのテーブルにガールフレンドと座ると。だけど僕の中ではマイルドに腹が立っていて、一矢を報いりたいわけです。 ちょうどその時二人が立ち上がってパブの中にオーダーしに入っていったんですね。で僕は今しかないと思って立ち上がり、 「ちょっと仕返ししてくるわ」ってなって、当然ロビンは止めようとするんですが僕のスイッチは激しくオンになってますから聞く耳持ちません。 で何をしたかって言うと、そこは基本平和主義ですから、トラブルは避けて通りたいですから。なのでその二人の椅子にそれぞれサイダー(リンゴの発泡酒、甘い) をたっぷり注いでおいたんです。で元の立ち位置に戻って事の顛末を見届けようと。程なくして二人が戻って来ます、緊張の一瞬。彼らが座ります 、そしてすぐさま二人同時に立ち上がってお尻を確認!! 二人ともお尻をはたいています。完璧なまでにシンクロしていますっ!!ロビンは顔を赤らめ、 こらえて笑っています。正直ガールフレンドには少し悪い気がしましたが、こういう無礼者と一緒になった性ですね。
ロンドンの公園で友人と遊ぶcf!!

『笑いの後に』

ではビデオにもなった「NOW WHAT THE?」。この曲中でアルバムのタイトルにもなっている"After Laughter"というフレーズが出てきます。日本ではあまり馴染みのない言葉なんですが、これはどういう意味なんでしょう?? 確かにアルバム全体の雰囲気を表している言葉だとも感じますが。。。

英語圏でも馴染みはそんなにないと思います。 ちょっと英語の授業っぽいですけど、Laughter(ラフター)は「笑う」という動詞Laugh(ラフ)の名詞形で「笑い」という意味です。 Afterは「〜のあとに、〜のあとで」なので「笑いの後に」ってことです。After Laughter(アフターラフター)で韻を踏んでいるっていうのがポイントです。 自主リリースにあたって、同名のアルバムタイトルが既に存在しないかどうかググって大丈夫だったんでこれに決めました。 しかし、オリジナルのリリース2017年1月から数か月経ったある日、例のGeorge Vallack からメッセージがありました。 「おいParamoreってバンド知ってるか?ニューアルバム出すんだけど、タイトルAfter Laughterだぞっ!」 ちょっとこれは狐につままれた気持ちで、夢見てるんじゃないかと思いました。しかも売れてるバンドらしいんで。いい機会なのでここで言及しときます。多分これから人に聞かれる事もあると思うので。

― これは載せといた方が良いですね。Paramoreより先だぞ、ってことで。「笑いの後に」ってタイトル、自嘲的で何だか意味深ですよね。

"Now What The?” MV撮影風景

僕がある晩見た夢

実は最近、ミックスとマスター、録音も多少変えた関係でアルバムのデジタルリリースし直したんですよ、Bandcamp以外のショップから一回全部取っ払って。 で、オンラインディストリビューターを通すときにアーティスト名のみならず最近はアルバム名すら、パクッてないかどうか聞かれるんですよ。 だから僕のほうが先だということを明確にしておかないと、あとでトラブルに巻き込まれる可能性が出てくると思います。しかも相手は僕より圧倒的に売れてて、かつアメリカ人ですから、訴訟大国の。

― いろいろ面倒なんですね(笑)。では次、Elliott Smithの名曲「waltz #2」のイントロを思わせる「I'll Keep My Eyes Closed」は今作のハイライトだと思います。ギターソロ含めアルバムの中でも最もエモーショナルですよね。

「waltz #2」と来ましたね。自分でも「あれっ.....そういや...っぽいな。」とか思いました。でも僕イントロがほかの曲に聞こえる曲結構好きなんで気に入ってます。 そうですね、一番エモーショナルかもしれないですね。個人的にはアルバムの中のお気に入りの一つです。 記憶では曲の原型は一日ででき上がって、 次の日ライヴがあったんで譜面台に歌詞おいて早速演奏したのを覚えています。確かこの曲が最後に録音した曲で、 ドラムは当初ドラマーの友人にお願いしてて、4時間スタジオ確保して録り始めたんですが、全然うまく行かないまま2時間が経ち、結局その残りの2時間で僕が叩きました。故に不完全で聴いててイライラする時ありますが。

― そういった未完成の部分も逆に良かったりしますけど。因みに「waltz #2」のドラムもElliott Smith自身が叩いてるんですよね。 ではアルバム中で他に気に入っている楽曲はありますか?

「waltz #2」はそうですね彼自身が叩いてますね。僕はRingo Starrのドラム本当に大好きなんですけど、多分Elliott Smithも相当影響受けてたんじゃないかと。そういうドラム叩かせたらうまいですね彼は。 アルバムで他に気に入っている曲ですか。正直 前作から今作の完成まで8年以上もかかってますから捨て曲なんかあっちゃマズいですし、実際全曲好きなんですが。難しいですね。 強いて上げるなら10曲目のDark Townですね。今作で一番最初に録った曲なんですが、ちょっと異質で。というのもこの曲のコンセプトは、僕がある晩見た夢なんです。その夢の雰囲気が曲にうまく再現されていて。 実は当時音楽を辞めようかと考えていたんですけど、この曲が出来た時に「これ行けんじゃねえかオレ?」と思い直して細々と続けて行く事が出来ました。だから個人的に思い入れがありますね。

― なるほど。じゃあ、もしもその夢を見てなかったら音楽をそのまま辞めていた可能性もあった、ということですよね。 夢が創作の契機になるのは昔からある話ですが、cf!!さんの場合は自分と音楽を繋ぎとめた夢でもあるんですね。 では変化球的な質問になりますが、もしその時音楽を辞めてたらどんな未来があったと思いますか?今なにか別の創作をしていたと思いますか?

そのまますんなり音楽を辞められていたのか今となっては分かりませんが、辞めていたら普通にシェフの仕事だけしてたでしょうね。 何かしら創作していたと思いますけど、恐らく料理のスタイルがもっとアーティスティ ックになってたりとか。絵を描いたり写真を撮ったり、ヴィジュアルアートを趣味でやってたでしょうね。今もやってますけど。 「わたし普通のオジサンになります」って言ってたかもしれないですね。

― キャンディーズ的な(笑)。 絵といえば今作のジャケットのイラストは自身で描いてますよね。何とも哀愁を感じさせるイラストですが、体育座りしてるのはcf!!さん本人ですか?向こうには相手を殴ってる人もいますが…。

体育座りしているのは僕ってことになってます。 僕は人の後ろ姿にすごく魅力を感じるんです。想像力を掻き立てられるというか。だから絵を描く時自ずと後ろ姿が多い。後ろ姿の方が描きやすいっていうのも絶対ありますが。 元々喧嘩してる二人は描く予定じゃなかったんですけど、あれがないとなんともつまらない。 せいぜい、綺麗だねえとか、色合いがいいねえとかですよね。ああいう変な要素がないとただのヘタクソな絵というか。これも自分の中のバランス感覚だと思います。 ただ描き終えて、『あ〜殴られてるヤツを自分にすればよかったあ』と思いましたが。 自分がボコボコにされているのを眺めてる自分、のような。

― なるほど…。なかなか面白い視点ですね。。 では最後の質問です。
ミュージシャンとしてのcf!!が影響を受けた音楽について教えて下さい。

『影響を受けた、ですか。複数になっちゃいますねやっぱり。 音楽に興味を持つきっかけになったのはおそらくFootlooseのサウンドトラックですね。10歳くらいでしたけど小さなカセットデッキで聴きまくってました。 でも影響を受けたっていう意味では間違いなくSex Pistolsです。ここで人生変わりました確実に。自分がこんなにシニカルなのはJohn Lydonの影響かもしれません。 今聴くとただのストレートなロックですけど、ポップミュージックしか知らなかった12、3歳の子供には衝撃で。 当時メタルテープに落として、劣化して曲がスロウになるまで聴き倒しました。ギターを初めて手にしたのもこの頃です。 実は2007年のロンドン滞在中に出演したイベントで、オリジナルベーシストのGlen Matlockと一緒になるんですけど、僕が酒で出来上がっちゃってまして。 しかも僕の演奏後に来たので彼の中では僕はただの酔ったアジア人、となってるはずです。実際額面通りですし。 次に挙げなければならないのはDinosaur Jr.ですね。当時パンクにもう結構飽きてて新しい刺激を求めてたんですが、その頃スケボーをやっていて、でBlindっていうメーカーのVideo Daysっていうビデオがありまして。もう当時はそれは画期的で、ジャズをBGMに滑るMark Gonzalesとか、今では俳優のJason Leeが出てたりとか。とにかくスケーターは本当に感覚が鋭敏で、音楽のセンスにしてもファッションにしても。未だに自分ではスケーターだと思ってますが数年前肉離れを起こしまして。日常生活が困難になるので以来ろくに滑ってませんが。 横道に逸れましたが、そのBlindのビデオで初めてダイナソーを知るわけです。で92年に渋谷公会堂でライヴを観まして、ブッ飛びました。パンクに飽きて出会ったので、僕の中ではまさにポストパンクで。この後またギターを手にするわけです。You're Living All Over Me は今でも名盤だと思います。まだ活動してるところがまたすごい。 ちなみに以前 Jマスキスとバックステージで機材とスケボーの話で盛り上がりました。 『骨折るからもう本気でスケートしたくないよおおううう』って言ってました。 最後はやはりElliott Smithですね、お察しの通り。 最初に買ったのがEither/Orだったんですけど。非常におこがましいですけど、『おっ、なんか俺と似てる』というのが第一印象です。 で後日、彼が物凄い高い次元にいる事に気がついて。ショックで数ヶ月ギター弾くの止めた記憶があります。 幸運にもライヴ2回も生で観てるんですが。不思議でしたね。なんかBagdad CafeとかParis Texasとか、そういう映画を観た後の感覚に近いというか。 観てる時には割とサラッと通り過ぎてゆくようで、終わった後にじわーっと『よかったなあ』と思えるような。 まあとにかく偉大なソングライターですね、疑いの余地なく。彼もやはり入りがパンクだったみたいで。紆余曲折の後に辿り着いたロック感が非常に共感できるというか。 一緒に酒飲んで音楽の話をしたかったなあと今でも思います。 感覚的には今挙げた人たちが、BeatlesやRolling Stones、Stevie Wonder、Joao GilbertoやChet Bakerなどの大御所たちの織りなす輪の中に存在している感じです、Stereo Recordsのロゴじゃないですけど。好きなアーティストを挙げだしたらもう1日じゃ終わらなくなりそうなのでこの辺で。 兎にも角にも After Laughterは ホントに、身を削って寿命巻き気味で制作した渾身のアルバム、万が一ぽっくり逝っちゃっても恥ずかしくないアルバムだと思っているので、是非一度は聴いてみてください。ではさようなら。